アレッサンドロ・ミケーレがクリエイティブ・ディレクターを退任してから、初のメンズコレクションとなった今シーズン。ここ数年、メンズとウィメンズの合同ショーによって発表を行ってきたため、メンズ単独での発表はFall Winter2020メンズコレクション以来3年ぶりとなった。
今季は「即興」をキーワードに、グッチに携わる多様なクリエイターや職人たちの個性を投影。マーク・リボーが率いるトリオ編成の音楽グループ、セラミック・ドッグのライブパフォーマンスによって今季のコンセプトを体現しながら、デザインチームが手掛ける新たなるグッチのコレクションを披露した。ファーストルックは、アレッサンドロ・ミケーレによる煌びやかなスタイルから打って変わって、Tシャツにスラックスを合わせたシンプルなスタイリングからスタート。続くルックでも、ホワイトのトップスに、ロング丈のジャケットやダブルブレストジャケットを羽織ったミニマルなスタイリングを提案した。ーブジャケットやショートパンツとしても着用できる機能的なアイテムも登場する。
時折差し込まれたフェミニンな要素も、コレクションに新しい風を吹き込んでいく。その好例なのが、トラディショナルなイブニングパンツをベースにしたロングスカート。また、胸元が大きく開いたトップスもコレクションに漂うジェンダーレスなムードを高めていく。
コレクションの中で繰り返し提案された新素材「クリスタル GGキャンバス」にも注目したい。グッチのアイコニックなGGキャンバスにラッカーを施して光沢感をプラスしたこの素材は、ブルーやグリーンの鮮やかなカラーからピンクやイエローのパステルカラーまで多彩なカラーで登場。オーバーサイズのカバーオールをはじめ、グッチバッグ激安ガーメントバッグやトラベルバッグ、ブーツ、ホースビット ローファーなどコレクションを構成するあらゆるアイテムに採用された。
さらにバッグは、ハーフムーンシェイプとピストン クロージャーが特徴の「ジャッキー」をパステルカラーのクロコダイルでアレンジした新作や、ダブルタイガーヘッドの馬蹄形バックルとレザーストラップを引き立たせるように装飾的な構造を廃した「ディオニュソス」の新作などがラインナップする。